ジルを選んだ訳

 

私が鳥猟を始めて今年で7年になるが、住んでいたアパートがペット禁止だったため、犬を飼うことが出来なかった。

 

犬がいない以上、探索から回収まですべてを人間がしていた。

それでも努力の甲斐在りこれまで年間に獲る鳥は結構な数。しかしその三分の一位の数の鳥が半矢で回収できなかった。池に逃げ込んだ半矢の鴨や、藪を走る半矢鳥を捕らえるのは人間の能力ではとても難しいことだ。

 

突き詰めて考えると、食料が簡単に手に入る現代では猟とは生き物を殺す行為を楽しむ事だ。しかし、全員とは言わないが心ある猟師は皆自分なりのポリシーのもとに猟をしている。

私の場合は、獲物を回収し、料理し、食べることで完結すると思っている。

 

半矢で回収できなかった鳥はほとんどが飛べるようには回復せず、結局死んでしまう。これではただの駆除で猟ではない。この半矢鳥の回収は私の中では急務だっだ。

 

そこで、昨年やっと一軒家に引越し念願の犬を飼う事が出来るようになった。

 

私のメインは鴨猟なので、回収だけを考えればレトリバーが良いのだろう。しかし、鳥猟ならなんでもこなせるようなポインテットドッグが欲しかった。

 

五目猟ができて水にも強いポインテットドッグなら、ブリタニースパニエルと聞いていた。

 

ジルを入れるに当たり、ブリタニースパニエルの血統をずいぶん研究した。

 

米系は始めから考えていなかったので、日本で仏系ブルトンを専門に繁殖している犬舎となると限られてくる。最終的に、名門サンチュガンの血統を日本に伝えているアダチセキヤ犬舎と、日本ブルトンの至宝、ランピオンの仔犬をSt-Lubinの母犬で生産しているみちのく犬舎の2犬舎に絞った。

 

どちらの犬舎に連絡を取ろうかと悩んでいたとき、ある雑誌にみちのく犬舎の広告が出ていた。その広告の写真に写っていたランピオン号に一目惚れした。精悍な面構えと白オレンジルアネの美しい毛並み、私が飼いたいのはこんな犬と思っていたブルトンがそこにいた。

 

そこでみちのく犬舎の及川氏にメールにてコンタクトを取ったところ、丁寧な返信の中にも、氏のブルトンに対する情熱が大いに感じられ、みちのく犬舎から仔犬を購入する事にした。

 

 みちのくブリ