スキート射撃の事

 クレー射撃には大きく分けてスキートとトラップの2種類がある。(オリンピックではこれとダブルトラップ、でも次回からはなくなるらしい)

スキート射撃は、半円形のフィールドにハイハウス(プール)とローハウス(マーク)の2台の射出機を置いて、1〜8番までの射台(鉄砲を撃つ場所)から1ラウンドで合計25枚のクレーを狙う競技である。

トラップとの大きな違いはトラップがクレー1枚に対し2発撃てるのに対し、スキートではクレー1枚では1発しか撃つことができない。

また、トラップが追い矢(遠ざかるクレーを撃つ)なのに対し、スキートは1,7,8番では追い矢と迎え矢(迫ってくるクレーを撃つ)それ以外の射台は横に飛ぶクレーを撃つので、クレーの飛び方がバラエティーに富み、鳥猟の練習にはスキートのほうが効果的だ。

私のメインであるため池での鴨猟では、あまり追い矢になる状況は無く、向ってくるか横に飛ぶかなのでスキートでの練習が欠かせない。

昨年の猟期でのことだが、ある大きな池に鴨が30位いた。このとき私は、いつものように私の猟の師匠であるY氏と2人で猟をしていて、池が大きかったので私が堰堤下で待機し、Y氏が池の奥から鴨を追い出すことにした。

思惑は当たりY氏が追い出した鴨約30羽が私に向って飛んできた。ほぼ真上10m位を飛んでいる群れに対し自動銃弾倉一杯の3発と弾を入れ直して2発の計5発を撃った。

頭の中のイメージでは、少なくとも1発につき1羽はきりもみ状に落ちてきているはずだったのだが、結果は1羽も獲れない惨憺たるもので、群れは何事も無かったかのように遥か彼方に飛び去っていった。

別の日、同じ池にまた30位の群れが付いていた。今度は、当たる気が全くしない私が勢子にまわり、Y氏が池の反対側で待った。前回と同じように鴨の群れは理想的な進路でY氏の待ち構えている方に飛んでいき、ほどなく何回かの銃声が聞こえた。

Y氏は猟も射撃も経験20年以上のベテランである。

私は猟果を確信しY氏のもとに向った。ところが、私がそこで見たのは、やや目が空ろなY氏の姿であった。

確かに我々は射撃が特段上手い方ではない。

しかし、実猟の経験もそこそこあり、射撃場では7割以上のクレーはコンスタントに割っている。

失中した原因は色々あるのだが、(機会があったら言い訳します)

つまりそれだけ迎え矢は難しいということだ。(なに納得してんダッ)

スキート射撃のルールには、オリンピックや国体で採用されている国際ルールと、手軽にスキート射撃を楽しもうというコンセプトで作られたジャパンルールの2種類がある。

大きな違いは、クレーの出る順序が違う。(国際ルールはプールとマークから同時にクレーが射出されるダブルが多い)

国際が射手のコールとクレーが出るのに時間差がある(タイマーという)のに対しジャパンはコールと同時にクレーが出る。

待機姿勢が違う(国際では銃床を腰の位置につけていなければならないが、ジャパンではきまりは無い)などだ。

大久保ではほとんどの人がジャパンでプレーしている。

スキート射撃