■ リローディングの事・その1 |
ライフル銃は、ムリョ千発という鉛球を使ってエリアで弾を当てる散弾銃と違い、遠くの的に一粒の弾頭を当てる銃です。なので、ただの筒である散弾銃の銃身と違い、ライフル銃身にはライフリングという螺旋状の溝が切られていて、ここを通った弾頭は回転する(ジャイロ効果)ことにより直進して的に命中する仕組みになっています。
したがって、フェデラルやウインチェスターなどで作っている市販の弾(ファクトリーロードという)をライフル銃で撃てば命中しそうですがどうもそうはいきません。 なぜかというと、使う弾頭や火薬とライフルの銃身との相性が、銃身一本一本で違うからです。 つまり、仮に使う弾頭が同じでも、使う火薬の種類と量により銃身ごとで着弾点にバラツキが生じます。散弾銃では全く問題にならないこのバラツキが、ライフル銃の場合には大きな問題となるのです。 ファクトリーロードは大量生産ですので弾頭ごとの火薬の量は一定です。弾頭は選ぶことが出来ても、火薬の種類や火薬の量は選べません。そこで、ファクトリーロードで満足がいかなければ自分で弾を作るしかありません。 鉄砲の弾を自分で作ることをリローディング、作った弾をハンドロードと言います。 308Winの場合、猟で使う弾は150グレインから180グレインの重さの弾頭を使います。この弾頭で火薬の種類や量を色々変えた弾を作り自分の銃で実際撃ってみて、着弾バラツキの最も少なくなる火薬の量を探すわけです。 もちろん弾頭と火薬にもたくさんの種類があり、火薬の量は35〜45グレイン位の幅で調整するので、組み合わせは無数です。でもこの工程がライフルの楽しみです。 また、ハンドロードには弾一発当りの値段が非常に安くなるというとても大きなメリットもあります。ファクトリーロードの場合、猟で使えるレベルの弾は安くても一発当り400円位します。 ライフル弾としては最もポピュラーな308Winでこれですから、300マグナムなどの特殊な弾では500円は優に超えると思います。これではスコープ合わせや練習に何発も撃つわけにはいきませんよね。これがハンドロードなら一発100円ちょっとで出来ます。 リローディングをするには専用の器具が要りますからそれなりの初期投資(アタクシの場合は5万円くらいかな)は必要ですが、器具自体は一生物ですからそれを差し引いても充分安く弾を作ることが出来ます。 ちなみに、散弾実包も昔はリローディングする人が沢山いたようですが、現在では性能的にファクトリーロードで充分なことと、リローディングするとかえって高くつく場合が多いので、サボ・スラッグ弾などの特別な弾でない限りリローディングすることは少ないようです。 |